2015/01/22

07 叢雲(むらくも)

この神話はあまりにも有名であり素戔嗚尊(すさのおのみこと)の
大蛇退治で知られている。

姉の天照大神(あまてらすおおみかみ)に反抗した罪で、
高天原を追放された素戔嗚尊は、出雲の国の須賀という
里に流れる簸の川の川上にきました。

そこには一軒の家があり中を覗いてみると白髪の老夫婦が
若い美しい姫を抱いて泣き悲しんでおりました。
素戔嗚尊が訳を尋ねると、この老人は山の神で脚摩乳命(あしなづち)といい、
老母は手名椎(てなづち)という夫婦で、姫は二人の八番目の娘で
奇稲田姫(くしなだひめ)といいました。

この親子の住む里の山奥に八岐大蛇(やまたのおろち)が住みついて、
毎年里におりてきては成長した姫を次々に連れ去って、
遂に一人残った末娘の番になり、この娘も今晩か明晩にも
連れ去られる運命であることを知りました。
素戔嗚尊は非常に哀れみ、大蛇を退治することにしました。

まず、稲田姫を素戔嗚尊の妻にすることを約束し、大蛇退治の作戦を立てました。
第一に強い酒を造り8つの瓶に入れ、戸口には垣根を作り、
その垣根に8つの門を作り、酒の入った瓶を並べました。
いよいよ八岐大蛇が出てきたが、酒が好きな大蛇は酒の匂いに誘われて、
八つの頭を八つの瓶にそれぞれ入れて飲み、遂には酔いつぶれてしまいました。

素戔嗚尊は今が好機とおどりでて、十握剣(とつかのつるぎ)で大蛇の首を斬り落とし、
最後に尾を切り裂いたとき十握剣が刃こぼれをしました。
不思議におもった素戔嗚尊が確かめると、大蛇の尾の先から見事な剣が出て来ました。
素戔嗚尊はこの剣に「天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ)」と名付け
熱田神宮に祀りました。

後に、日本武尊がこの剣で枯れ草をなぎ倒し、
難を逃れたので、「草薙の剣」ともよばれました。


雄勝法印神楽 演目

01 初矢(しょや)
02 両天(りょうてん)
03 三天(さんてん)
04 四天(してん)
05 宇賀玉(うがたま)
06 岩戸開(いわどびらき)
07 叢雲(むらくも)
08 魔王退治(まおうたいじ)
09 五矢(ごや)
10 鬼門(きもん)
11 道祖(どうそ)
12 所望分(しょもうわけ)
13 蛭児(ひるこ)
14 笹結(ささむすび)
15 橋引(はしひき)
16 醜女退治(きじょたいじ)
17 空所(くうしょ)
18 順唄 (じゅんばい) 
19 日本武尊(やまとたけるのみこと)
20 白露(はくろ)
21 釣弓(ちきゅう)
22 産屋(うぶや) 
23 荒神舞(こうじんまい)
24 二之矢(にのや)
25 普照(ふしょう)
26 湯之父(ゆのちち)
27 国譲(こくじょう)
28 獅子(しし)